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LEDライトの反射で浮かび上がった、濃紺の塗装面の細かな磨き傷(スワールマーク)
コラム

車の磨き傷はなぜできる?洗車機・拭き上げ・DIY施工の原因別に解説

洗車したあとの黒いボディに光を当てると、渦を巻いたような細い線が浮かんで見える。あるいは磨いてもらったはずなのに、角度を変えると白っぽい筋が走っている。これらはまとめて「磨き傷」「洗車傷」「スワールマーク」と呼ばれますが、呼び名を覚えることにあまり意味はありません。大事なのは、傷の入り方を見れば、その傷がどこで入ったのかをかなりの精度で絞り込めるという点です。

この記事では、磨き傷の発生源を「洗車機」「拭き上げ」「DIY施工」の3つに切り分け、傷の形から原因を逆算する読み方と、同じ傷を繰り返さないために変えるべき点を整理します。なお、すでに入ってしまった傷が磨きで消えるかどうかという可否の判断は、カーコーティングで傷は消える?浅い傷・洗車キズへの効果で扱っています。

磨き傷は呼び名ではなく「線の形」で分けると原因が見える

弧を描く傷と一方向の直線傷が並ぶ、濃紺の塗装面のクローズアップ

塗装面の一番外側にはクリア層という透明な膜があり、日常でつく細かい傷のほとんどはこのクリア層の表面に入っています。深さでいえば数マイクロメートル単位で、指でなぞってもほとんど引っかかりません。それでも目立つのは、傷の断面が光を乱反射して白く見えるからです。

だからこそ、傷そのものより「どんな形で並んでいるか」を見るほうが原因の特定に役立ちます。線の形はおおむね次の3種類に分かれます。

渦巻き状に見える傷(スワールマーク)

光源を中心にして、円や渦を描くように無数の細い線が広がって見えるタイプです。実際に渦状の傷が入っているというより、あらゆる方向を向いた細かい傷に光が当たり、光源を中心とした同心円状の部分だけが光って見えている状態を指します。ランダムな方向に力が加わった結果なので、円を描くように洗った、または回転する機械が触れた面に出やすくなります。

直線的に並ぶ傷(ヘアライン傷)

ある一方向にそろって走る細い線です。ボンネットなら前後方向、ドアなら前後方向というように、拭いた向きと一致することがほとんどです。力を入れて一定方向に拭き上げた面に出ます。

点や短い線が散らばる傷

方向がそろわず、短い傷が点在するタイプです。硬い異物が一度だけ当たった痕跡で、洗車の工程よりも走行中の飛び石やドアの開閉、荷物の積み下ろしなど、洗車以外の場面で入っていることが多くなります。

傷の入り方から発生源を逆算する3つの視点

形が分かったら、次は「どこに集中しているか」を見ます。当店が入庫時に確認しているのは、傷の向き・傷の長さのそろい方・傷が集中している面の3点です。この3つを組み合わせると、発生源はかなり絞り込めます。

傷の特徴集中しやすい場所推定される発生源
渦巻き状・長さがそろわないボンネット、ルーフ、トランクの平面洗車機のブラシ、円を描く手洗い
一方向にそろった直線ドア、フェンダーの側面拭き上げのクロス
細かい渦が一定の幅で帯状に並ぶ平面の一部だけ、パネルの端ポリッシャーによるDIY施工
短い傷が不規則に点在フロント寄り、ドアノブ周辺飛び石、爪や荷物の接触

傷が「平面だけ」に集中しているか、「側面まで回っているか」は特に判断材料になります。水平な面には汚れが積もりやすく、また作業のときに力が乗りやすいためです。なお、同じ深さの傷でもボディカラーによって見え方は大きく変わります。色ごとの見え方の差は車の磨きは黒が一番難しい?ホワイトパール・メタリックとの違いで解説しています。

洗車機で入る傷の正体は、ブラシとボディの間に挟まった砂

洗車機が傷の原因として語られることは多いのですが、正確にはブラシの素材そのものより、ブラシとボディの間に砂やホコリが挟まったまま回転することが問題です。近年のスポンジ製ブラシは以前より柔らかくなっていますが、砂を噛めば結果は変わりません。

傷が入りやすくなるのは、雨上がりに泥はねが乾いた状態のまま入庫したとき、前の車が泥だらけだった直後、下回りの汚れが多い季節などです。愛知県内でも、農地や工事現場沿いの道を日常的に走る車は砂の付着量が多くなります。事前に高圧の水で砂を流しておくだけでも条件は変わります。

拭き上げで入る傷は「何往復したか」で決まる

意外に思われるかもしれませんが、当店が入庫車で最も多く見るのは拭き上げ由来の直線的な傷です。洗車そのものは丁寧でも、最後の水滴を追いかけて同じ場所を何度も往復すると、そのぶん摩擦の回数が増えます。

特に条件が悪いのは、真夏の直射日光下で水滴が乾き始めている状態です。水が蒸発するとミネラル分だけが残り、その粒を巻き込みながらクロスを動かすことになります。拭き上げは「こする作業」ではなく「水を吸わせる作業」だと考えると、動かす回数は自然に減ります。クロスを押し当てて水を吸わせ、持ち上げて別の面で吸わせる、という進め方です。手洗い洗車の具体的な手順はコーティング車の手洗い洗車の方法にまとめています。

DIY施工で入る傷は、帯状に並ぶ渦で見分けられる

ポリッシャーを使った施工で入る傷には、はっきりした特徴があります。パッドが通った軌跡に沿って、細かい渦が一定の幅で帯のように並ぶことです。これは磨きの最終工程が足りていない、コンパウンドの粒度の切り替えを飛ばしている、あるいはパッドに前の工程の研磨剤が残ったまま次の工程に進んだときに出ます。

もうひとつ多いのが、乾いた研磨剤を引きずってしまうケースです。研磨剤は水分を含んでいる間は粒子がなめらかに崩れていきますが、乾くと硬い粒として塗装面を引っかきます。DIYで入る傷の多くは、機材の性能ではなく工程の飛ばし方から生まれます。工程の順序とコンパウンドの番手の考え方は車の磨き方|コンパウンドの番手と工程順で解説しています。

発生源別|洗車機・クロス・ポリッシャーで変えるべき点

原因が絞り込めたら、変えるべき点も具体的になります。すべてを一度に変える必要はありません。自分の車に出ている傷の形に対応するものから手をつけるほうが、効果を実感しやすくなります。

洗車機由来だと分かったとき

入庫前に砂を流しておく、泥はねが多い時期は手洗いに切り替える、ブラシが当たる平面(ボンネット・ルーフ)にどれくらい傷が集中しているかを定期的に確認する。この3点です。使用そのものをやめる必要はなく、汚れの量が多い日を避けるだけでも条件は変わります。

拭き上げ由来だと分かったとき

クロスの枚数を増やし、水を吸ったら別の面に替える運用にします。1枚を絞りながら使い続けるより、乾いた面を使い回すほうが往復回数が減ります。日陰か曇りの日に洗う、洗い終わったパネルから順に拭く、という順序の工夫も効きます。

DIY施工由来だと分かったとき

工程を減らすことで生まれる傷は、工程を戻さない限り消えません。粗い番手で止めずに仕上げまで進める、パッドを工程ごとに分ける、研磨剤が乾く前に拭き取る。これらが守れない環境であれば、その面だけでも専門店に任せるという判断も選択肢になります。

当店が入庫時に磨き傷の発生源をどう見ているか

ジャパンオートサービス株式会社では、入庫した車をまずLED照明の下に入れ、光の角度を変えながら塗装面を確認します。蛍光灯や屋外の自然光では、浅い傷は光の当たり方によって見えたり見えなかったりするためです。照明を固定して角度だけを変えると、傷の向きと分布がはっきり読めるようになります。

ここで発生源を特定しておくことには、はっきりした理由があります。原因が分からないまま磨いても、同じ傷が同じ場所に戻ってくるからです。当店は創業1991年から日進市で施工を続けており、代表の馬場俊一が1台ずつ全工程を担当しています。どの面にどんな傷が入っているかを最初に読み切ることが、削る量を最小限に抑える前提になります。

磨き傷の原因について聞かれること

洗車後の濃紺のボディにマイクロファイバークロスを平らに当て、水滴を吸わせている手元

新車なのに磨き傷があるように見えます

納車前の輸送・保管・洗車の過程でも塗装面には触れる機会があるため、新車でも浅い傷がまったくない状態とは限りません。照明の下で見て初めて分かる程度のものが多く、走行に影響するものではありませんが、気になる場合は入庫時に確認します。

コーティングをすれば磨き傷は入らなくなりますか

被膜が塗装の上に乗ることで、同じ力が加わったときに塗装本体まで届きにくくはなります。ただし傷がまったく入らなくなるわけではなく、被膜側に傷が入るという形に変わります。摩擦の量そのものを減らす洗い方と組み合わせて考えるものです。

洗車機を使わなければ磨き傷は入りませんか

前述のとおり、当店で最も多く確認するのは拭き上げ由来の傷です。手洗いに切り替えても、クロスの使い方が変わらなければ傷の向きが変わるだけということもあります。

どのくらいの頻度で磨けばよいですか

磨きは塗装を削る作業なので、回数を重ねるほどクリア層は薄くなります。傷が気になるたびに磨くという進め方は、クリア層の残量という観点では負担が大きくなります。当店では入庫時に塗装面の状態を見たうえで、磨く範囲と削る量をご相談しています。

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「どのコーティングが自分の車に合っているか分からない」「料金の目安を知りたい」など、小さなご相談でもお気軽にどうぞ。車種・コンディション・ご予算をお聞きし、最適なプランをご提案します。

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